Sep 8, 2010

3分間ドラッカー【第16回】 経済を決定するのはマクロ経済ではなく個人と企業

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3分間ドラッカー【第16回】 経済を決定するのはマクロ経済ではなく個人と企業

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「現在の経済学では、経済の動きを予測することはもちろん、説明することもできない」(『新しい現実』)

 マクロ経済学のモデルは、支配的な地位にあるのは、「主権国家の経済」であるとする。しかしドラッカーは、従者たる個人と企業が、主人たるマクロ経済に屈伏したことは一度もないという。個人と企業は常に主人を裏切ってきた。

 経済学者シュンペーターが1930年代中頃に指摘したように、個人と企業はいかなる経済政策とも関係なく、貨幣の回転速度を予想できないかたちで急激に変えることができる。

 経済政策によって経済的な目的を達成しようとする試みはすべて、この個人と企業が持つ「貨幣の回転速度変更の能力」によって失敗させられてきた。経済的に何が合理的であるかを決定するのは、マクロ経済ではなく、個人と企業のミクロ経済のほうである。もちろん起業家精神とイノベーションを動かすものも、マクロ経済ではない。

 経済学は経済の「天候」を支配することを約束したがゆえに、今日の高い地位を得た。だがその効きめは、効能書きほどのものではなかった。経済学はよりよい「気候」をもたらすうえで役には立つが、目先の「天候」には無力であることを認めなければならないときがきたようだ。

 「今やわれわれは、経済の『天候』を動かすべき行為者としての政府から、正しい『気候』を維持すべき政府へと重点を移すべきときがきた」(『新しい現実』)

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わが社には、新規事業を生み出す、正しい『気候』があるであろうか。わが国には、新規事業を生み出す、正しい『気候』があるであろうか。

マクロ政策論、全社経営論の立場からは、言うべきことはある。だが、本稿でそんなことを言ったところで、それは誰かが言っていることの受け売り、今流で言うコピペでしかありえない。

>個人と企業はいかなる経済政策とも関係なく、貨幣の回転速度を予想できないかたちで急激に変えることができる

新規事業開発に携わるわれわれは、この言葉を肝に銘じようではないか。自分たちのやっていることが予想できないかたちで急激な変化を起こす可能性を信じて、行動しようではないか。自分のやっていること、それ自体がもたらす変化はごくわずかであろう。いや、それ以前に志半ばで頓挫するリスクの方が高いのである。だが、それでもチャレンジすることになにがしかの意味があるのではないか。自分が捨て石になってもよいではないか。捨て石になるなら、とことん大きい捨て石になってやるという気概を持って、取り組もうではないか。

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