Oct 2, 2010

3分間ドラッカー【第112回】いかなる政治家といえども、これ以上はバラまけない

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3分間ドラッカー【第112回】いかなる政治家といえども、これ以上はバラまけない

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 「われわれは今のところ、ばらまき国家という合法の富の略奪から逃れる方法を知らない」(『ポスト資本主義社会』)

 ドラッカーは、国家予算の歳出項目それぞれについて公益への貢献度を評価する機関、しかも立法府や行政府から独立した機関が必要だと言う。求められているものは、事業監査の政府機関版である。

 一般に、政治家と官僚は、自らを律するいかなる試みにも反対するものと思われている。しかし実際には、ほとんどの政治家が、外部からチェックされることをむしろ歓迎するに違いないという。

 もともと政治家と官僚は、清く正しく、すばらしい社会をつくるという理想に燃えた人たちのはずである。それが、もろもろのしがらみで利益誘導的になってしまった。国民の財産を守るべき者が、集めてばらまく役目を果たす羽目になった。

 しかし彼らは、自らを律することはできない。そのようなことをすれば、もろもろの利益集団から罰せられる。職にとどまることはできない。

 もちろん彼らも、ばらまき行為が自らの地位や国民との関係をむしばみつつあることは知っている。おまけに自らの誇りを失わせつつあることも知っている。

 「今後あらゆる国において、政府支出に向けられる金はますます少なくなっていく。その結果、ばらまき的な歳出を制御することにますます関心が集まっていく。その必要性については、もはや疑う者はいない」(『ポスト資本主義社会』)

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ばらまき的な流出と、明日への投資とを区別することは困難である。どうすれば、これを的確に行うことができるのか。

政府においても、企業においても、この問題は大きい。スーパーコンピューターのスピードが「一番でなくてはならないのか」という問いかけがセンセーショナルに報道されたことで、多くの人々が知ることになったが、この種の問題は企業においても、頻繁に起こっているのではないか。

この新規事業開発に投資するなど、単なるばらまき、無駄であるという言説に、そうではないと証明する作業は困難であると同時に、忍耐を要求される。だが、当事者はそれを必要な試練として受け止めなくてはならない。

社内のスクリーニングを通らないような新規事業開発は事業化しても失敗する。

たとえ、後日、その事業を手がけた他社が成功したとしても、である。

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